トルクメニスタンを中心に中央アジアで遊牧生活を送っていたトルクメン族の一部、アムダリア川流域で織られたベシール絨毯です。縦約50㎝、横約190㎝です。前所有者様によるとほぼ全て天然染料を使われており、80〜100年程前に織られたアンティークに近い物との事です。花嫁と共に、持参する衣類や絨毯などをラクダに乗せて練り歩く習慣があるそうですが、その際にラクダの体にかける装飾用の絨毯で、花嫁自身が織る物のようです。装飾用の為かパイルのすり減りは全くない素晴らしい状態です。しっとりしたパイルがみっしりと詰まっており、ベッド脇に敷くなど細長い形を生かして実用して頂きたく思います。 トルクメン族は赤い色を特に好むとの事ですが、こちらはやや茶色味のある落ち着いた小豆色で、アブラーシュ(色ムラ・染めムラ)が奥行き感を与えています。何よりも非常にバランス良く整った柄で、色遣いのセンスも良く、手仕事の上手なお嬢さんが丹精込めて織ったと想像できます。下端は折り返して二つ折りに固定されています。上端には元々は色とりどりの装飾用の長いフサがあったようで、一部短くなって残っています。裏側から帯状の布が縫い付けられています。右の縁はしっかりしています。左側は一部傷みがあり、ミシンのジグザグステッチのような縫い目が補強の為に入れられています。経年変化による色褪せはありますが、むしろ趣きが増すような美しい自然な色合いです。写真１枚目は日干しした際に撮影しました。室内と太陽光の下とではかなり印象が異なります。明るい場所でご使用になるとより魅力的に見えるかと思います。購入時はうっすら汚れていましたので、ウール用洗剤で洗濯しました。現在は、個人的な感覚ではありますが、頬ずり出来るくらい綺麗です。我が家では壁飾りとして数週間使用したのみです。オールド キリムから始まり、トライバル ラグ・部族系絨毯と言われる中近東の毛織物にはまり、数カ月前にオランダのディーラー様から譲り受けたものです。気に入って入手したものでまだ未練はあるのですが、整理のため出品します。コレクションとしても良い物ですし、丁度よい場所があれば実用される方も是非ご検討下さい。この年代とは思えないくらい良い状態ですが、多少の難はあります。古い毛織り物の特性をご理解の上、現状を愛でて下さる方のご購入をお願いいたします。