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概要：本商品は茶道宗偏流の書籍で、大正十四年に新潟県長岡市の禅僧で宗偏流家元総監であった関嶺宗が八世の外学宗有の家元就任の記念と流儀の発展を願って刊行したものです。当時としても非売品で、門弟のごく一部にのみ頒布された物のようです。その後の空襲で長岡市にあった版元の北越新報社や漢籍の随一の所蔵を誇った互尊文庫、代々宗偏流を修めてきた数々の名家が被災し、宗偏流の一大拠点であった長岡市内の多くの道具や資料が焼失しています。
本来は全六巻で、「一巻 便蒙抄」「二巻 便蒙図式」「三巻 要録」「四巻 便蒙聞書」「五巻 盆点 天目 台子式」「六巻 具図絵」の構成です。本商品は「陸安集」の中核部を占める、また「茶道軌範」全六巻の主要部分を構成する「盆点 天目 台子式」のみの出品です。
内容：「第五 盆点 天目 台子式」は時習軒三代の神谷松見が流祖宗偏の記した「茶道要録」と「茶道便蒙抄」より盆点、台天目、及台子の記述に加筆して、両冊に分散されていた内容を「陸安集」の内の一冊にまとめたものです。点前の各章の前半に文章、後半に図版が記載されていて、一冊で秘伝奥伝とされている各点前を文章と図の双方から理解することができます。
また、唐物点と茶通箱は現在では伝物とされている場合が多いですが、当時は伝物に含まれておらず、本書には記載されていません。台子についても当時は流儀で用いる台子は及台子のみとされていたので、真台子や竹台子に関する記述はありません。
「陸安集」は流祖の周学宗偏が著した「茶道便蒙抄」に流祖の高弟の時習軒初代岡村宗伯の流れを汲む時習軒三代神谷松見が加筆したもので、親を早くに亡くした四世の漸学宗也を指導した際に斎号の「陸安斎」と共に本書が送られたことから、「茶道便蒙抄聞書」または「陸安集」と呼ばれています。それ以降は流儀第一の書籍とされていて、明治の頃までは本書の書写をもって皆伝とされていました。
状態：95年前の書籍ですので擦れや傷、焼けや汚れ等の経年の劣化があり、特に表紙に傷みがあります。
画像でお示ししますので、詳細をご確認ください。本文に書き込みはなく、誌面の状態は良好です。品ですので、状態をご確認いただきました上でのご入札をお願い申し上げます。
おすすめの商品ですので、ご検討をお願い申し上げます。